数学: 『トポロジーの基礎 上』補足(定理1.2.11)
本記事では,河澄響矢『トポロジーの基礎 上』(東京大学出版会,2023年第2刷)の定理1.2.11の証明の修正を行います.(修正案における)記法はなるべく著者のものを尊重します.
修正箇所
訂正を要すると思われるのは,次の部分です(p.23, l.4):
また,
が第一の部分集合から来ている場合は
および
![]()
であるとしてよい.第二,第三の部分集合についても同様である.
これはうまくいきません.実際,図1のとおりに ,道
,
の開被覆
を設定すると,(本文を素直に読む場合)
は第一の部分集合から来ているとするしかありませんが,
です.
一般に, と
が
と
それぞれに属するかどうかの情報だけで
や
が
と
それぞれに包まれるかどうかを復元できるとは限りません.

証明の3段目「」を,本文を差し替えるかたちで修正します.ダッシュ "——" は,その前後が一致する本文を連結に抜き書きし,中間の記載を省略したことを意味します.
LaTeX: upLaTeXでdvipdfmxが動かなくなったとき
(注意: 特に構成を考えずに書いているので,文章が非常にだらついたり,情報が不十分なままになったりする可能性があります.また,筆者は LaTeX 等に関する技術的な話に明るくありません.)
背景
筆者は Windows 用 TeXworks (TeX Live 2024) を利用して,upLaTeX + dvipdfmx で文書を作成している.
あるとき mktexlsr したところ*1,upLaTeX が日本語文書の出力に失敗した.実験してみると,次のことがわかった:
- pLaTeX + dvipdfmx は問題なく動作する.
- 日本語を含まない(英文だけの)文書は upLaTeX + dvipdfmx でも出力できる.
- dvi ファイルまでは問題なく出力できており,pdf ファイルが出力できていない: 問題の直接の原因は dvipdfmx にあるらしい.
また,TeXworks には次のことを言われた:
mktexpk: could not locate a virtual/physical font for tfm "upgbm-h".
とか
mktexpk: could not locate a virtual/physical font for tfm "uprml-h".
とか*2.この問題を解決する.
解決
まず,dvipdfmx.cfg を探し出す.筆者の場合は
C:\texlive\2024\texmf-dist\dvipdfmx\dvipdfmx.cfg
にあった.この一番下の方に,
% the following file is generated by updmap(-sys) from the % KanjiMap entries in the updmap.cfg file. f kanjix.map % minimal example for Chinese and Korean users % improvements please to tex-live@tug.org f ckx.map
と書かれている.この "f kanjix.map" の直後に,次の一行を追加する.
f uptex-haranoaji.map
これで問題は解決される(はずである).
補足
TeXworks に言われた言葉のうち "upgbm-h" とか "uprml-h" からわかるように,筆者はフォントの設定をデフォルトのまま TeXworks を使用している.そのとき使用しているフォントはコマンドプロンプトから
> kanji-config-updmap status
で調べられる [1] .筆者の場合は,次の結果が返ってきた:
CURRENT family for ja: haranoaji (variant: -04) Standby family : bizud Standby family : haranoaji Standby family : ipa Standby family : ipaex Standby family : ms Standby family : yu-win10
使用しているフォントは「原ノ味フォント」である.
ところで,kanjix.map の場所は,コマンドプロンプトに
> kpsewhich kanjix.map
と訊くと返ってくる.筆者の場合は
c:/texlive/texmf-local/fonts/map/dvipdfmx/updmap/kanjix.map
だった.この場所に kanjix.map を探しに行って中身を読んでみると,なんと "upgbm-h" も "uprml-h" 書かれていない.彼らはどこにいるのかというと,また別のファイル,例えば uptex-haranoaji.map の中にいる.このファイルは筆者の場合
c:/texlive/2024/texmf-dist/fonts/map/dvipdfmx/ptex-fontmaps/haranoaji/uptex-haranoaji.map
にあった.状況から察するに,このとき dvpidfmx は kanjix.map を見るばかりで,本当に必要な(例えば)uptex-haranoaji.map を発見できていなかったのだろう.実際,dvipdfmx.cfg にuptex-haranoaji.map を書き込んだ結果,問題は解決された.
余談
解決策は,[2, 3] に行き当たって思いついた.
この問題に際して,TeX Live を再インストールしたものの,それでも解決しなかった.TeX Live は数年前(2021?)から使っており,kanjix.map は texmf-local に存在しているので,そのときのものが残ったままだったのかもしれない.しかしながら,TeX Live 2024 自体は少し前から使っていたので,kanjix.map における件の欠落が今になって発火するのは不自然な気もする.mktexlsr が着火材になったのだろうか?
なお,mktexlsr は新しい sty ファイル を texmf-local に配置したことから必要に駆られて実行したのだが,
が悪さをしたとも考えられる.
中では expl3 を扱っているのだが,それが原因なのだろうか?
この解決策は逆用できることがあるらしく, dvpidfmx.cfg に追加した
f uptex-haranoaji.map
をコメントアウトすると,(少し時間が経った後,または を使用すると)問題が再発する.
参考文献
[1] https://ctan.math.washington.edu/tex-archive/fonts/ptex-fontmaps/kanji-config-updmap.pdf
[2] 名月記: texlive(w/ texshop)環境:dvipdfmxが通らなくなったときの対処
[3] dvipdfmxでpdfに変換できない - I am a wannabe.
LaTeX(雑記): expl3で定義した数値をTikZで使う
(後でまとめ直すと思います.)
expl3で定義した数値をTikZで使う場合,数値の型はintかdimにしてください.型をfpにすると動作しません.
数学: 『曲率とトポロジー』正誤表(作成中)
本記事は,河野俊丈『曲率とトポロジー 曲面の幾何から宇宙のかたちへ』(東京大学出版会,2021年初版)の記述のうち,修正を要すると思われる部分を(発見できた範囲で)列挙したものです.軽微な修正は *印 で明示しました.論理的な誤りは掲載しましたが,それ以外の部分について修正を要すると思われるかどうかは,掲載者の一部独断によります.実際に修正を要する部分の全部は,ここに掲載されたものには限らないかもしれません.
次の部分について確認しました: 第0-3章.
(次の部分は現在確認中です: 第5章.)
見出しは「ページ数: その概要」で統一しています.形式は原則,該当部分とその訂正例の併記とします.別行立ての数式はそのものだけを掲載します.それ以外は,前後の部分もあわせて掲載します.
正誤表の作成は,本書の自主ゼミに参加した友人の協力にもよります.この場を借りて感謝申し上げます.
第1章 曲線の曲率
p.25: 例1.3.1,螺旋の捩率
該当部:
修正案:
第2章 曲面の計量と曲率
p.37: 式(2.3.3)
該当部:
修正案:
*p.50: 脱字
該当部: 擬球はトラクトリスを 軸の周りに回転して得られる曲面である.
修正案: 擬球はトラクトリクスを 軸の周りに回転して得られる曲面である.
p.51: 命題2.6.1,証明中の曲率
該当部:
修正案:
第3章 曲面上の幾何学
*p.60: 細字
該当部: 曲面上の曲線 を考える.
修正案: 曲面上の曲線 を考える.
*p.69: 句読点
該当部: で定める,これは 上の
次微分形式である.
修正案: で定める.これは 上の
次微分形式である.
p.72: 写像の取り違え
該当部: は
への写像
の向きまでこめた面積要素を表す.
修正案: は
への写像
の向きまでこめた面積要素を表す.
*p.80: 例3.6.2,衍字
該当部: ベクトルを が辺
の接線方向となす角度は
となる.
修正案: ベクトル が辺
の接線方向となす角度は
となる.
第5章 双曲幾何学
*p.97: 助詞の取り替え
該当部: 加速度ベクトル が
における
の任意の接ベクトルとのミンコフスキー内積が
となることと定義する.
修正案: 加速度ベクトル と
における
の任意の接ベクトルとのミンコフスキー内積が
となることと定義する.
p.99: ポアンカレ円板の計量の3本目
該当部:
修正案:
*p.101: 助詞の位置
動画(雑記): 動画編集覚書
動画編集に関するメモを,特に体系立てずに残していきます.
自分用のメモなので,前提が違ったり,一般化できない内容もあると思います.
随時更新.
(用語)
- ノート: 動画用に作成・公開されているpdfファイル.
- テキスト: 動画中の人物が発話する文字列.
- 文章: 動画中に画像として表示される文字列等.
一般論
今すぐ手を動かせ
人間は,何かと理由をつけて物事への着手をためらいがちな生き物である.
面倒そう・進捗を生めなさそうな作業であっても,やり始めると案外進む.
こんなものを読んでいる暇があるなら,とっとと手を動かすべきである.
「見たいものが無い」のは強いモチベーションになる
私が見たいものは,将来他の誰かも見たがる.
知は共有するべきである.
ノート関連
ちゃんと手を動かさないと間違える
ノートの行間は,作った本人であろうと埋めた方がいい.
ノートの作成中に間違いに気づくことすらある.
人間は割とすぐ間違える.
喋る順番は考えた方がいい
「Aの話題,Bの話題,またAの話題,またBの話題……」と飛び飛びにするよりも,同じ話題はなるべく繋げた方がよい.
複数の話題を短時間で行き来すると,視聴者は疲れるし,内容もあまり定着しない(だろう).
内容の再配列をためらうべきではない.
テキストは割といつでも書ける
話すべき内容の具体的な形がテキストなので,内容がある程度固まってさえいれば,夜中であろうとテキストは書ける.
テキストの誤字訂正は(どうせ後で音声として出力するので)修正が楽である.
テキストは何回も音読するべきである
テキストは最終的に音声としても出力される.
音で聞いて違和感があると,本質的な内容の集中が削がれてしまう.
アクセントやイントネーションの調声にも役立つので,テキストは音読するべきである.
調声関連
調声はデフォルトを基準に,しかし手は抜かない
すべてのアクセントやイントネーションを調声し始めると,工数が爆発的に増え,動画が完成しない(か異常に疲れる).
合成音声の学習データは(基本的に)プロの声なのだから,頼った方がいい.
しかし,デフォルトは絶対ではないので,明確な誤りは一つ一つ丹念に潰す.
工数のために最低限の視聴体験までもを損なってはならない.
音声を何回も聞き直すべきである
全部をAviUtl上に出力してから後で再編集するとなると,非常に手間である.
動画にするときどのタイミングで何の文章を表示するか/消すか を考えながら聞くとよい.
(母音で始まる)記号の直前は一瞬休む
「エス」「エックス」「アルファ」などの直前に0.10s未満の小休止を入れると,聞き取りやすい.
連体詞や補助動詞の周辺は調声箇所をまとめた方がいい
文字数の少ない単語は前後の単語と繋げた方が,アクセントをデフォルトで運用しやすい.
工数が減るので便利である.
映像関連
文章は原則コピペするべきである
書き写すと,間違えてもなかなか気づけない.
コピペ元であるノートは,かなり校正された後のもの(なはず)であるから,ある程度信用してよい.
一応,都度読み直して矛盾等ないことを確認した方がいい.
文章は削除によって作るべきである
ノートの文章はすべて完全文で,動画中の文章は基本その省略形ばかりである.
また一から書くとミスるので,ノートを信用した方がいい.
書き直しは最小限に抑え,それでも入力しなければならないところは,復唱しながらやった方がいい.
文章も音読するべきである
文章はただ動画に表示されるだけであり,量もかなりあるので,音読なしには誤字脱字のチェックが極めて困難である.
文章は動画のデータとは別でまとめてあるから,それを順番に音読する.
夜中に文章を打つべきではない
ミスる.
夜中に動画を作るべきではない
後で見直すと,編集した箇所全体でミスが一様に分布している.
ミスの修正には,実は修正だけではなく発見の作業も必要なので,余計に体力を持っていかれる.
動画そのものは,注意力を保てる昼間に作るべきである.
夜中に動画チェックをしない方がいい
夜中に見ても,動画のミスは(恐らく)昼間ほど発見できない.
注意力を保てる昼間にチェックするべきである.
(後で実験)編集中の動画はなるべく短い間隔で出力してみる
節ごとに出力したとしても,数十分とかが余裕で持って行かれる.
5分以内ごととかに出力した方が,最終的な編集時間を削減できるのではないか?
Divide and Conquer は偉大.
BGMは最後に入れる
途中のテキストが変更になったりすると,本当に困る.
どうぜ再生位置とかフェードの設定は固まっているので,BGMは最後に入れればいい.
SEを入れるのも多分最後でいい
BGMと違って,音を切ったりしなくていいので,これは正直どっちでもいい.
それでも,多分90秒くらいは作業時間を短縮できる.
LaTeX(雑記): numberwithinの再設定
(独自の)パッケージの中でカウンター の深さを設定している状況において,文書の .tex ファイルのプリアンブルにて
の深さを浅く再設定すると,見た目だけが再設定されて,カウンターがリセットされるタイミングはもとの深さを維持するようである.
例えば,definition カウンターを,
- パッケージで subsection に設定し,
- プリアンブルで section に再設定すると,
出力されるカウンターは section.definition の形式になるが,リセットされるタイミングは subsection のままである.
しかしながら,同じく definition カウンターを,
- パッケージで section に設定し,
- プリアンブルで subsection に再設定すると,
出力されるカウンターは section.subsection.definition の形式で,subsectionでもリセットされるように(正常に)動作する.
解決法がわからないので,カウンターを浅く再設定したい場合は,とりあえずパッケージを修正するか諦めるかしかない.
ATOK(雑記):  ̄(全角オーバーライン)の打ち方
「~」を変換してください.候補の3つ目くらいに出てきます.
なお,バージョンに依存する可能性があるので,保証はしません.